特注家具の図面やお見積もりで、「フラッシュ構造」という言葉を見かけることがあります。
「どのような構造なのか?」
「中に空間があっても大丈夫なのか?」
「無垢材や合板とは何が違うのか?」
家具は、表面に見えている材料だけでなく、内部の構造によって重さや使い勝手、製作方法が変わります。
今回は、家具や店舗什器に使われるフラッシュ構造について、基本的な仕組みと製作時のポイントをご紹介します。
1.フラッシュ構造とは?
フラッシュ構造とは、芯材で枠組みを作り、その両面に合板などの板材を貼り合わせて、一枚のパネルにする方法です。
内部には、周囲の枠や必要な位置の芯材が入り、その間に空間ができる構造が一般的です。
例えば、厚みのある家具の側板でも、厚さ全体が一枚の木の板でできているとは限りません。枠組みと両面の板材を組み合わせて、必要な厚みのパネルを製作する方法があります。
フラッシュ構造は材料の名前ではなく、パネルの作り方を表す言葉です。
2.どのような家具に使われる?
フラッシュ構造は、収納家具や店舗什器、木製建具などの製作に用いられます。
用途や仕様によって、次のような部分で検討されます。
- 収納家具の側板や扉
- 店舗什器のパネル
- カウンターやテーブルの天板
- 棚板
- 室内ドアなどの木製建具
ただし、家具のすべての部分を同じ構造にするとは限りません。荷重がかかる場所、金物を取り付ける場所、加工が必要な場所などに応じて、構造を使い分けます。
3.特徴は、厚みと重さを調整しやすいこと
フラッシュ構造は、内部に空間を設けることで、同じ寸法の中身が詰まった板と比べて軽量化しやすい方法です。
大きな扉や厚みのあるパネルでは、重さが搬入や取り付け、日々の開閉に関わります。見た目に厚みを持たせながら、重量を調整したい場合にも検討されます。
一方で、表面材や芯材の種類、補強の量によって、完成したパネルの重さは変わります。
「フラッシュだから必ず軽い」と考えるのではなく、寸法と使用条件に合わせて仕様を決めることが大切です。
4.強度は、内部の設計によって変わる
内部に空間があることだけで、家具の強度は判断できません。
フラッシュパネルでは、両面の板材と芯材を接着して一体化させます。表面材の厚み、芯材の配置、接着・圧着の状態などが、仕上がりや性能に関わります。
棚板であれば、載せるものの重さや支えの間隔、天板であれば、脚や下台の位置なども確認が必要です。
大切なのは、使用目的に合う構造になっていることです。 重い機器を置く、長い棚に書類を並べるなどの使い方は、製作前にお知らせください。
5.金物やビスの位置は製作前に確認する
フラッシュ構造では、内部に芯材がある部分と、空間になっている部分があります。
そのため、丁番、取っ手、脚、ブラケットなどを取り付ける位置には、必要な芯材や補強を計画しておくことが重要です。
完成後に取り付け位置を変更すると、その場所に十分な下地がなく、追加の加工や補強が必要になる場合があります。
製作前には、次の内容を共有しておきましょう。
- 使用する金物の品番
- ビスやボルトを取り付ける位置
- 配線穴や切り欠きの位置
- 現場で行う予定の加工
- 将来追加する機器や部材の有無
図面上では見えにくい内部の準備が、取り付けやすさにも関わります。
6.表面の仕上げとは分けて考える
フラッシュ構造のパネルには、仕様に応じてメラミン化粧板や突板などの仕上げを組み合わせます。
例えば、「木目のメラミン仕上げ」という指定は、主に表面の見え方を示しています。その内部がフラッシュ構造なのか、合板などを下地にした構造なのかは、別に確認する項目です。
家具を検討する際は、次の二つを分けて整理すると分かりやすくなります。
- 表面:色、木目、手触り、清掃のしやすさ
- 内部:構造、重量、補強、金物の取り付け方法
同じように見える家具でも、内部の仕様が異なることがあります。お見積もりを比較する際も、仕上げと構造の両方を確認しましょう。
7.用途に合わせて構造を選ぶことが大切
フラッシュ構造、合板を使う構造、無垢材を使う方法には、それぞれ検討すべき特徴があります。
フラッシュ構造は、軽量化や厚みの調整をしやすい一方、芯材の配置や金物の取り付け位置を事前に計画する必要があります。
また、枠組み、接着、圧着などの工程があるため、フラッシュ構造にすれば必ず製作費が安くなるわけではありません。
寸法、荷重、仕上げ、加工内容、数量などを踏まえて、家具の部分ごとに適した製作方法を検討することが大切です。
特注家具・店舗什器の製作相談は田口木工へ
田口木工では、東京・埼玉を拠点に、特注家具・店舗什器・木製建具の製作についてご相談を承っています。
ご支給いただいた図面・仕様をもとに、仕上げだけでなく、内部の構造や金物の取り付け方法も確認しながら製作内容を検討いたします。
お問い合わせの際は、図面や参考写真と合わせて、使用目的、寸法、数量、載せるもの、金物の指定、ご希望の納期などをお知らせください。
「図面にフラッシュ構造の指定がある」「用途に合う製作方法を確認したい」といったご相談も、まずは内容をお聞かせください。条件を確認のうえ、対応可否やお見積もりをご案内いたします。