「店舗に日本の木を取り入れたい」
「地域で育った木を、家具や什器として活用したい」
杉やヒノキなどの国産材は、建築だけでなく、家具・店舗什器・建具・木製品にも取り入れられる材料です。
ただし、使いやすく長く使える家具にするためには、樹種ごとの特徴や、設置する環境に合わせた製作方法を考えることが大切です。
今回は、杉・ヒノキの特徴と、国産材を使った家具製作のポイントをご紹介します。
1.国産材とは?
国産材とは、日本国内で育ち、伐採された木材のことです。杉やヒノキのほか、カラマツ、ナラ、クリ、ケヤキなど、さまざまな樹種があります。
その中でも、産地を特定した木材は「埼玉県産材」「秩父産材」など、地域の名前とともに紹介できます。
どこの木を使うかは、家具の素材選びに加え、その製品の背景を伝えることにもつながります。
産地を指定したい場合は、必要な寸法や数量、納期と合わせて、早い段階で相談することが大切です。
2.杉の特徴と家具への取り入れ方
杉は比較的軽く柔らかな木材で、木目や色の濃淡を感じられることが特徴です。赤みのある部分と白っぽい部分があり、使う部位によって表情が変わります。
店舗什器の正面や収納の扉、間仕切りなどに取り入れることで、木の存在感を生かした空間を検討できます。
一方で、柔らかさがある分、硬い物をぶつけた際のへこみや傷には配慮が必要です。
例えば、物を頻繁に置く天板は別の材料にして、カウンターの正面に杉を使う方法もあります。
材料の特徴に合わせて使う場所を選ぶことで、杉の良さを無理なく取り入れられます。
3.ヒノキの特徴と家具への取り入れ方
ヒノキは、明るい色合いときめ細かな木肌、特有の香りを持つ木材です。
収納家具やベンチ、建具、小さな木製品など、明るく落ち着いた印象にしたい場面で候補になります。
ヒノキにも、色や木目、節の入り方に個体差があります。また、香りの感じ方は材料の状態や塗装、使用期間によって変わります。
見た目や手触り、香りのどれを大切にしたいかによって、材料の選び方や仕上げ方法を検討します。
4.節の有無で見た目と価格が変わります
杉やヒノキを使った家具では、「節を見せるかどうか」も仕上がりを左右します。
節のある材料は、自然な表情を生かしたデザインに取り入れられます。節の少ない材料や無節材は、すっきりと整った印象に仕上げたい場合の選択肢です。
ただし、無節材を指定したり、色味や木目を厳密にそろえたりすると、材料の選別が必要になり、費用や調達期間に影響する場合があります。
節のある材料を使う場合も、抜けるおそれのある節や割れなどを確認し、使用する場所に応じて処理を検討します。
「節あり・節なし」だけでなく、どの程度の表情を希望するかを写真やサンプルで共有すると、イメージが伝わりやすくなります。
5.乾燥・構造・塗装まで考えて製作
無垢材は、周囲の湿度に応じて水分を吸収・放出し、伸び縮みします。そのため、材料の乾燥状態を確認し、木の動きを考慮した構造や取り付け方にする必要があります。
幅の広い天板や扉では、反りや割れへの配慮も欠かせません。用途に応じて、複数の板を接着した材料を使う方法や、部材を分けて組み立てる方法などを検討します。
仕上げについても、木の質感だけでなく、汚れや水分への対応、お手入れのしやすさを考えます。
塗装をすれば、傷や反りを完全に防げるわけではありません。材料・構造・仕上げを組み合わせて、使う場所に合う家具をつくります。
6.部分的な使用からでも始められます
国産材を使うために、家具全体を同じ木材で製作する必要はありません。
例えば、次のような取り入れ方があります。
- カウンターの正面に杉の板を張る
- 収納家具の扉や取手にヒノキを使う
- 店舗の陳列台や案内サインに地域材を使う
- ベンチの座面に国産材を取り入れる
- 木製の小物や備品から導入する
用途やご予算に合わせて、無垢材、合板、金属などを組み合わせる方法もあります。
まずは一台、一部分からでも、国産材を日常の空間に取り入れることができます。
7.地域の木を使うことの意味
国産材や地域材を選ぶことは、林業、製材、加工、製作など、木に関わる仕事への需要を生み出すことにつながります。
森林を将来につなげるには、木を使うことに加えて、伐採後に植え、育てる取り組みも必要です。適切な森林管理と木材利用を組み合わせることが、森林資源の循環を支えます。
店舗やオフィスで使用する家具に産地の情報を添えれば、利用する方が地域の森林に関心を持つきっかけにもなります。
国産材を使った家具・木製品のご相談は田口木工へ
田口木工では、杉・ヒノキなどの国産材を活用した家具・店舗什器・建具・木製品についてご相談を承っています。
「地域の木を使いたいけれど、何をつくれるか分からない」
「計画中の家具の一部に国産材を取り入れたい」
そのような段階からでも、ご希望をお聞かせください。
使用目的、希望する樹種や産地、寸法・数量・ご予算・納期を確認し、材料の調達条件を踏まえながら、製作方法を検討いたします。
20251001-1-121.pdf 「森の国・木の街」づくり宣言 その他も東京港区で国産材利用の促進のみなとモデルなども参加させて頂いています。